ホーム > フィールド一覧 > 【銃の豆知識】今更聞けない?銃のヒミツ!Vol.13「ソ連・ロシア」

かの有名なソ連の銃器たち!

さぁ、みなさんはサバゲーで使用できるエアソフトガンの豆知識をどれくらいご存知ですか?という記事です。
あっという間の第13回!
その他の銃はこちらからご覧くださいまし!

今回は現在のロシアが誇る、銃を使うゲームをやったことがある人なら1回は目にしたことがあるであろうライフルを造っている国の銃!

ソ連・ロシアの国産銃!

ソ連の銃、ロシアの銃と聞いて、やはり挙がりやすいのはAKではないでしょうか。ウッドストックの小銃の中でも群を抜いて知名度が高く、FPS等ではM4に並んで必ずと言っていいほど登場します。

次いで有名な銃で言えば、マカロフやトカレフが挙がるかと思います。
日本ではVシネマ等ですっかりヤクザやマフィアが使っている銃、というイメージが定着しつつあります。
しかし元はと言えばロシアの生産性を重視された銃なのです!

そもそもこのロシアの銃、どこの会社が作っているの?というお話なのですが、実は様々な場所に拠点を置く国営の造兵廠が生産していた銃器でした。
イメージとしては長物シリーズのVol.7で紹介したスプリングフィールド造兵廠が近いですね。

ソビエト社会主義共和国連邦(通称:ソ連)が発足した1922年から1991年の崩壊まで、国営の造兵廠で作られた銃が今もなお有名であるのは、後述しますがやはり特徴的な銃であるからでしょう。

ソ連の崩壊後は資本主義国家へと変わり、現在銃器の製造は民営化して、各会社が経営統合された「カラシニコフ・コンツェルン」となりました。部門ごとに3つに分かれており、軍用の武器を「カラシニコフ」が、狩猟用の武器を「バイカル」が、スポーツ用の武器を「イジェマッシ」がそれぞれ製造しています。

ではでは、そんなロシアのハンドガンのラインナップを見てみましょう!

■モデル一覧
トカレフ TT-33
マカロフ PM
スチェッキン APS
MP-443 グラッチ

では何の違いがあるのかひとつずつ見ていきましょー!

トカレフ TT-33

Amazon:KSC TT33 HW 18歳以上 ガスブローバックガン

1930年にソ連で初の自動拳銃として開発されたのがこのトカレフです。
アメリカのM1911を参考に作られたため形状も似通っていますが、トカレフならではの特徴は何と言っても、安全装置がないというところでしょう。
これは部品点数を少なくすることにより生産性を高めるとともに、構造を単純にし、極めて寒いソ連の環境下でも銃が凍結しないよう考慮された設計と言われています。
また、防寒具を着用することの多いソ連の気候を考え、スライドがハンマーの周りを覆うような形状にすることによって衣服などに引っかかってしまうのを防ぐように工夫が凝らされています。

名前の由来はヒョードル・バジレヴィッチ・トカレフという銃器の設計技師から名付けられたもので、T30T33(T30の改良版)という型番も製造された後に区別をするための名称として後付けされたものです。

先述のように暴力団などが密輸品を使用しているイメージが強い本銃ですが、多くの密輸品はソ連製ではなく、中国製やコピー生産された粗悪品だったとも言われています。

代表的な作品としては、映画「ブラックホーク・ダウン」でソマリア人の民兵が、「キングスマン」ではスパイである主人公エグジーをはじめ、多くの登場人物が使用しており、海外では主に民兵や傭兵など(主人公視点から言う)悪役やダークヒーローが所持している傾向が多く伺えます。

日本の作品で言うと、「殺し屋1」「闇金ウシジマくん」などで度々トカレフが出てきますが、裏社会の世界観ならではと言えます。
また、ゾンビ漫画の「学園黙示録 HIGHSCHOOL OF THE DEAD」では、平野コータが警察署の事件証拠品の保管庫からトカレフを拝借するシーンがありますが、これも押収したもの=悪者が使っていたという日本人らしいイメージが由来していると思われます。

ただ意外なことに、「名探偵コナン」ではロシアで常飲されているアルコールのウォッカというキャラクターが黒の組織にいる割に、構成員が使っている銃はトカレフではなくFNハイパワーやシグで、むしろ一度コナン自身が使用する場面もありました。解せぬ……

マカロフ PM

Amazon:KSC マカロフPM HW 18歳以上ガスブローバックガン

上記のトカレフの後継として、ソ連に1952年に制式採用された自動拳銃がこのマカロフまたはPM(Pistolet Makarova)です。
トカレフと同じく、ニコライ・フェドロビッチ・マカロフという設計技師の名前が由来です。

トカレフは高火力の代わりに大型かつ取り扱いが難しいのが難点でしたが、マカロフは安全装置が追加された他、ドイツのワルサーPPに影響を受けてサイズダウンした分携行性に優れており、ソ連軍が自動拳銃をサブウェポンとして携行するきっかけにもなる銃でした。

作品ではトカレフと同じく多くの悪役に使われています。
漫画原作のアニメ「文豪ストレイドッグス」では、樋口一葉をはじめとしたポートマフィアのキャラクターが基本的に使用しています。
また、太宰治泉鏡花など、元ポートマフィアの人物が拝借して使用しているあたりも、そのキャラクター像を色濃く写しているように思えますね。

ゲーム「メタルギアソリッド3」でもオセロットが本銃を愛用していましたが、自分の撃ち方がオートマチック向きではないことをスネークに指摘され、リボルバーであるSAAに持ち替えることとなります。

スチェッキン APS

Wikimedia Commonsより引用

エアガンやモデルガンでは現在生産されていないのですが、ピックアップしておきたい自動拳銃をご紹介します。
イーゴリ・スチェッキンが開発し、1951年に機関拳銃に制式採用されたスチェッキンです。
この銃は機関拳銃と付く通り、フルオートでの射撃が可能な自動拳銃です。
拳銃ではあるものの、フルオートの反動をグリップのみで持って抑えるのは困難なため、専用のホルスターを兼用したグリップが付属しています。

噂ではKSCが設計までは行なったという話もありましたが、結局実現にはいたっておらず、自作でスチェッキンを模した銃を作る方などもいるそうです。

作品ではトカレフ、マカロフに比べると登場数は少ないですが、アニメ「TIGER&BUNNY」で度々強盗犯や殺人犯が使用していたり、映画「亡国のイージス」の声が出せない朝鮮工作員のジョンヒが使用していたり、特殊な拳銃ながら局所的に使われています。

MP-443 グラッチ

WikimediaCommonsより引用

現在のロシア軍が2003年から使っている現役自動拳銃はこのMP-443、通称グラッチです。
ロシアの造兵廠は現在3部門に分かれていますが、そのうちのバイカル社が製造しています。

拳銃弾の中で最もメジャーな9x19mmパラベラム弾を使用できる上(マカロフまでは9x18mm)、防弾チョッキなども貫通できる9×19mmPBP弾という高性能な徹甲弾を使用することも可能な自動拳銃です。

現時点ではエアソフトガンでの販売はありませんが、海外メーカーのRaptorから販売予定です!

作品では悪役を引き立てる!?

ソ連・ロシアのハンドガン、各特徴をまとめると……

トカレフ……安全装置が付いていない、極めてシンプルな自動拳銃。
■マカロフ……携行性に優れた自動拳銃。
■スチェッキン……フルオートで射撃できる機関拳銃。
■グラッチ……現在のロシア軍も使用している最新の自動拳銃。

といったところです!

ちなみに僕が個人的に好きな北野映画の「アウトレイジ」は、キャスティングなども含めて有名なVシネマです。やっぱりイメージ通りトカレフやマカロフを使っているのかと思いましたが、実は一度も登場しておらず、自動拳銃ではガバメントやベレッタ、シグが使われていました。
アウトレイジは「全員悪人」というキャッチコピーが印象的ですが、悪役といえばな銃であるトカレフたちは使っていなかったんだなぁと思い、逆にリアリティを感じました(´ω`)

それではいつになるかは分かりませんが、次回の記事もお楽しみに!!!

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