ホーム > フィールド一覧 > 今更聞けない?銃のヒミツ?Vol.9「ワルサー編」

名作で登場「しがち」な名銃!

みなさんおはようございますこんにちはこんばんは。
ASOBIBA池袋店のじょーです♪( ´θ`)ノ

さぁ、みなさんはサバゲーで使用できるエアソフトガンの豆知識をどれくらいご存知ですか?という記事です。
その他の銃はこちらからご覧くださいまし!

今回は日本一有名な怪盗が使う銃をご紹介!!

ワルサーシリーズ

あまり銃に詳しくない方でも、意外と聞いたことがある名前なのではないでしょうか?

ドイツの銃器メーカーで、1886年にカール・ヴァルターフリッツ・ヴァルターという親子が設立しました。
この2人の姓名であるWaltherは、ドイツ語の発音としてはヴァルターが正しく、一方英語の発音ではウォルサーとなり、日本ではこの2つが混ざったものとしてワルサーと言われています。

1993年からはエアソフトガンも販売している玩具メーカーのUMAREX(ウマレックス社に吸収されています。そのためウマレックス社が出すワルサーのエアガンは、最早本物と言っても過言ではありません。

また日本のメーカーでは、ワルサーとライセンス契約を結んだマルゼンがリアルなトイガンを生産しています。

ではでは、ワルサーのハンドガンのラインナップを見てみましょう!
今回はエアガンで存在している型、または特徴的な型をピックアップしてご紹介いたします。派生した種類には少し言及する程度とします。
ワルサーに関しては東京マルイさん以外の様々なメーカーが主に販売してます。

■モデル一覧
P38
P5
P88
P99
P22
PP / PPK
PPQ
カンプピストル

では何の違いがあるのかひとつずつ見ていきましょー!

P38

Amazon:マルゼン ワルサーP38 AC41ブラックモデル 18歳以上ガスブローバック

まずはワルサーを語る上で欠かせない銃の1つ、P38です。
日本では「ルパン三世」で主人公のルパン三世が愛銃として使用していることから、日本ではかなり親しみのある銃かと思います。
エアガンはもちろん様々な玩具で再現され、ひいてはパチンコの台にまで……若者でも銃器名は知らないけどこの形状の銃は知ってる!という方も多いのではないでしょうか。

ちなみにP38は民間用の名称で、軍ではP1という型番が与えられています。
ドイツ陸軍が第二次大戦で安価かつ耐久性に優れた新型拳銃の開発をワルサー社に依頼し、完成されたこの銃を1938年に制式採用しました。

最大の特徴は大型軍用オートマチックとしては世界初の試みであるダブルアクションであること、一般的な自動拳銃と異なり左側排莢となっていることです。排莢が左側である理由は現在でも定かになっていないそうです。

ちなみに一部のモデルには『グレイゴースト』という異名が存在します。
これは諸説ありますが、第二次世界大戦末期~戦後にフランス軍向けに作られたP38(別名:SVW45)の表面がパーカライジング処理(ガバメントの灰色と同じ)されていたことからコレクター間で付けられたという説や、戦時中の見た目にちなんで、アメリカ軍から畏怖と羨望の的としてそう呼ばれたという説など中二病心をくすぐられます。

戦後はP38の再生産型であるP1が制式拳銃として採用されたほか、後に発展改良型のP5なども作られています。

このP38に関してのみ、東京マルイからエアーコッキングで、マルゼンからガスブローバックでと、大手2社から販売されています。

P5

Earl’s Repair Service, Inc.より

P5は1976年に、西ドイツ警察の制式拳銃用にとワルサー社が開発しました。

前述した通りP38の改良発展型で、バレルを短縮化しており携帯しやすくなっています。
ちなみにこの銃もP38を引き継いでいることから左側排莢となっています。

P38やPPKなど人気のワルサーシリーズが多く使われる中、洋画では「ボーン・アイデンティティー 」の主人公ジェイソン・ボーンが、アニメでは映画「劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [新編]叛逆の物語」で暁美ほむらが使っているシーンなどが見受けられます。割とほむほむの愛銃と言える銃です。

トイガンではずーっと前に、固定ガスガンのP5をマルコシが製造していました。

P88

Earl’s Repair Service, Inc.より

1988年にワルサー社がP5の後継として開発したのがP88です。
弾倉をダブルカラムにして装弾数を増加させたり、安全装置がアンビとなっていたりと改良されています。
1996年に生産中止となっていますが、その後コレクターの間でさらに高額で取引されているそうです。

写真は実銃ですが、マルシンから固定ガスガンが出ています。

P99

マルゼン ワルサー P99 18歳以上ガスブローバック

Amazon:マルゼン ワルサー P99 18歳以上ガスブローバック

従来のワルサーとは一線を画す新たな型です。
グロックが成功をおさめてから、各メーカーの作る拳銃がポリマーフレーム主流となっていった中で、1997年に出た自動拳銃です。
古き良き拳銃のイメージが強いワルサーの中では、かなり近代的な拳銃と言えるのではないでしょうか。
H&Kのハンドガンのようにアンビ化されたマガジンキャッチと、コッキングインジケーター(コッキングされるとスライド後ろに赤い印が飛び出る機構)が主な特徴です。

このP99は改良を重ねた後に様々な後継銃へと派生していきます。(後述するPPQや.380ACPを使用するPK380など)

作品ではP38やPPK並みの出演量です。「007」でもPPKが主ですが、途中でP99に持ち替えてまたPPKに戻ったりもしています。「ジョン・ウィック」でも主人公のジョン・ウィックがサプレッサー付きのP99を強奪して使用します。

P22

WIKIMEDIA COMMONSより

写真だと伝わりづらいのですが、P22はP99を3割ほど小さくしたような見た目で、グリップを手に合わせる機能も同じく搭載されています。外部から見ても分かるようなハンマーに変更されていたり、安全装置がセフティレバーに変更されていたりとP99とは少々異なります。
また、大きな特徴としては排莢口の下に、動作を凍結させるトリガーロック機構を備えています。

使用弾薬が.22LRという小さめのものに対して重く、反動が少ないため、初心者向き・競技用の銃と言われているようです。

この銃は個人的に思い入れがあります。
人生で初めてやったFPSが「ペーパーマン」というすでにサービス終了しているPCゲームがあったのですが、これでWaltherP22が登場していました。
当時は銃の知識が皆無だったので、銃器名がかっけー、くらいの理由でサブウェポンとして使っていました(笑)

PP

マルゼン ワルサー PPK/S ブラック 18歳以上ガスブローバック

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代表的なワルサーの銃です。
「007」でジェームズ・ボンドシリーズの『007 ドクター・ノオ』で、ベレッタ438からこの銃に持ち変えることでアメリカで爆発的な人気を生み出しました。

ただこの銃は紆余曲折あり、様々な苦労が見える銃です。
そもそもPPとはPolizei Pistole(警察用拳銃)の略称で、その名の通り1929年にワルサーが開発しました。さらに各国の軍の携帯用拳銃として人気が出て、小型化したPPK(Polizei Pistole Kurz)を開発しました。

PPもPPKもセーフティ機構が多く、安全に素早く使用できる機能を持っていることで当時は高い完成度が売りでした。

しかし、第二次世界大戦時に急造で粗悪品が大量に民間人に出回った事などから、戦後の評判が悪くなりました。
そんな時、映画『007』シリーズで主人公のジェームズ・ボンドがPPKを使用し、スパイの隠密に使用するそのスタイルで瞬く間に良い意味で有名になりました。

ちなみに採用のきっかけは、ファンの銃器愛好家から「ベレッタは25口径で威力不足だ」という手紙をもらい、S&Wのリボルバーを推奨されていましたが、ボンドのスパイという職業には、リボルバーではなくサイレンサーを使用できる銃が良い、ということで32口径のPPKが選ばれたそうです。

ここまでは順風満帆に見えますが、アメリカで人気になりながらも1968年、ケネディ暗殺事件を契機にアメリカで銃規制法が施行され、コンパクトなPPKはアメリカに輸出できなくなってしまいました。
そこでワルサー社は、あえて大型のPPのフレームにPPKのスライドとバレルを組み込んでPPK/S(SはSpecialの略)という名義で販売したところ、大型化した影響で逆にアメリカ人の手のサイズに合い、007との相乗効果も相まって今日の人気へと辿り着きました。
スパイのキャラクターが使用する銃ならではのきっかけですね。

P99とPPK/Sに関しては、マルゼンのガスブローバックをASOBIBA池袋店でも取り扱っています。冒頭の写真がそうですね(物販担当じょーの趣味)

PPQ

ウマレックス Umarex ワルサー PPQ M2 アルミスライド ブローバック ガスガン 【18歳以上用】

Amazon:ウマレックス Umarex ワルサー PPQ M2 アルミスライド ブローバック ガスガン 【18歳以上用】

P99に近い構造をしていますが、民間のP99Qから進化したもので、マガジンの互換性があります。それ以外の部分ではパーツの互換性はほとんどなく、後継というより踏襲をしている2011年に出てきた銃です。
グリップがより改良され、バックストラップが交換できる機能は受け継いでいます。

ウマレックス社が販売しているPPQは、前述の通りほぼ実銃のようなクオリティです!

カンプピストル

Amazon:CAW ドイツ軍 カンプピストル

他のワルサーとは一線を画すデザインの銃がカンプピストルです。

生い立ちがかなり特殊な銃で、第二次世界大戦当時、信号銃をドイツ軍に出していたのですが、実際の戦場では信号銃として使用すると同時に、単発の榴弾発射用の拳銃として即興で使用していました。これは大口径だったから流用できたそうです。
そこでドイツ軍は、榴弾を発射可能な仕様に作り替えるよう要求して、ワルサー社が開発したのだそうです。

開発当初は小型榴弾しか使用できなかったのが、後に装填する弾頭をより強力なものにすることで軽装甲程度の車両なら破壊可能なほどの威力を持つようになり、携帯できる対戦車用の銃器として成長しました。

また、威力が高くなるほど反動も強くなっていくことから、ストックと照準器が加わったシュツルムピストルという派生型も存在します。

このカンプピストルは、信号銃と見た目が非常に似ていることから、写真のように銃身の左側に「Z」の文字を刻印しました。

「メタルギアソリッド ピースウォーカー」では、主人公のスネークが使う銃にこのカンプピストルがあります。さらに改良することでシュツルムピストルにもなります。また、「Fate/zero」では、衛宮切嗣が信号銃を仕様します。

トイガンでは、CAWから小型のグレネードランチャーとして生産されています。

ドイツの銃といったらワルサーというのが個人的なイメージ

歴史が長く調べるのも大変なワルサーでしたが、各特徴をまとめると……

■P38、P1……ルパン三世が愛用する、第二次世界大戦時のドイツを代表するモデル。
■P5……P38の特徴的なバレルを短縮化したコンパクトなモデル。
■P88……P5の後継で安全装置がアンビ化されたモデル。
■P99……ポリマーフレームを採用した、グリップの調整やマガジンキャッチャーをアンビ化させた近代的な外見のモデル。
■P22……P99を小型化し、ハンマーも露出させたモデル。
■PP ……ボンド愛用のスパイを想起させる小型なモデル。
■PPQ ……グリップがより握りやすくなったP99に近いモデル。
■カンプピストル……信号銃のような特徴的な見た目の単発モデル。

といったところです!

P22のところで紹介した「ペーパーマン」は2016年にサービスが終了し、もう存在していないFPSですが、2019年末に公式Twitterが意味深なツイートをしていたりと、もしや復活するのでは?と言われています。

キャラクターがみんな紙なので、横を向いているとめちゃくちゃ薄くて弾が当たりづらい、という特徴を持った可愛い絵柄のFPSなので、個人的に復活してほしいなと願うばかり……僕はこの紙技シューティングのせいで高校1年生の夏休み40日間のうち、外に5日しか出なかったりしました。今となっては良き思い出なり……。

それでは次回の記事もお楽しみに!!!

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